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裏アニメ 音響監督回5

裏アニメの音響監督回 文字起こしの続き5です。

 

津田健次郎presents 裏アニメ

音響監督特集 ゲスト鶴岡陽太(楽音舎)

収録場所 Studio2010:

劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜を題材に

 

Q:田口尚平アナ(テレビ東京)

T:津田健次郎さん

A:鶴岡陽太さん

 

【白熱!ダビングは熱い議論の場】前編

A:最終的にセリフと音楽と効果音を合わせてバランスを取って、一本のサウンドトラックにしていく作業です。

Q:あ、MA作業ですね。

 

 テレビ業界専門用語【MA(Multi Audio)】

 :音楽やナレーションなど音のバランスを整える作業

 

【ユーフォ1期 第12話の映像】

:久美子は練習していたパートを外される

 

A:つらいですね〜あれは…

Q:ワンシーンなんですね…

(久美子が外される場面が1シーンのみの描写)

 

映像:夜の宇治川沿い歩道を歩く久美子

モノローグ:上手くなりたい…×3

劇伴:ピアノ

効果音:車の走行音、靴音

 

A:ここは難しいところです…

T:……(目を眇める)

Q:……(辛そうな表情)

 

映像:走り始め、涙をあふれさせながら宇治橋へ

モノローグ:上手くなりたい×9 誰にも負けたくない誰にも、誰にも

劇伴:ピアノ

映像:立ち止まって荒い息を吐き、川に向かって叫ぶ。

セリフ:上手くなりたーいっ!

劇伴:無し

効果音:車の走行音、靴音、風の音

 

A:うん…

T:うん…

 

映像:欄干に縋り付き、泣きながらへたり込む久美子

セリフ:悔しいっ…、悔しくて…死にそう…っ

音楽:(セリフ直後に)地獄のオルフェ開始、ボリュームアップ

効果音:欄干に縋り付く音、車の走行音

 

 思わず出たのは中学時代に麗奈から言われた言葉(第1話)

 

A:これ、難しいよね…

T:難しいです…

Q:これ印象的でした、ほんとに。

T:面白い…

 

映像:久美子、中学の大会を思い出し目を見開く

  向かいの鉄橋を渡る電車を呆然と見つめるロングショット

音楽:地獄のオルフェ

効果音:電車が鉄橋を渡る音

映像:中学時代の回想〜目を見開いてぼろぼろ涙する久美子

モノローグ:そのとき、私は知った

セリフ:悔しくて…死にそう…っ(回想の麗奈)

モノローグ:そのつらさを

セリフ:私は悔しいっ(回想の麗奈)

モノローグ:あのとき麗奈がどんな思いでいたかを私は知ったのだ

音楽:地獄のオルフェ

効果音:無し

映像:呆然と立ちすくむ久美子後ろ姿のロングショット

 それを見つめる秀一のロングショット

 さらに離れた川岸からのロングショット

音楽:地獄のオルフェ〜END

効果音:無し

T:なかなか思い切った音楽の入れ方だと思うんですが。

A:最初の、久美子が外されちゃうとこ、あれは「下手くそはつらいんだよ」。

T:うん、うん。

A:その後の「上手くなりたい上手くなりたい」、これ、そもそもシーンとして難しいのは、あれはずっとモノローグなんですよ。ずっとモノローグで、最後の一言だけセリフなの。っていうのがまず本当に難しくて。それをピアノでモノローグに寄り添って。

A:そのあと地獄のオルフェ(天国と地獄)が天の啓示のように降りそそぐ。…というところが(京アニの)皆さん議論百出したところで。

 

 地獄のオルフェ(天国と地獄)

 久美子と麗奈の中学時代のコンクール曲だった

 

T:そうですよね〜

 

 「地獄のオルフェ」を使うべきか?

 

Q:初見で驚き、かなぁ

A:驚きますよね。

T:普通で言えばわりと静かに心情に寄り添っていく…違うタイプの音を入れていくような気がする。

Q:無音で終わるのをよく見るなと思うんですが、ああいうシーンは。

 

A:京アニの木上益治さんという大御所の方がいらっしゃって、木上さんがコンテで描いてくださったところに(地獄のオルフェを指定して)あったんです。

 

【京アニの木上益治(きがみよしじ)さん】

 :京アニのレジェンド級アニメーター、演出、監督

  演出・絵コンテ時は「三好一郎」原画は「多田文雄・多田文男」名義

 

A:確かに現場で…

T:現場がざわっとする感じ?「これ、入れるんですか?」みたいなことに?

 

A:石原立也監督は、かなり、躊躇っていらっしゃった。常識的に考えると、ものすごく思い切ったことなので、作品をまとめるということから考えると(躊躇うのは)分からなくはない。でも、そのコンテを見たときに「これはとてもフィロソフィーがあるコンテではないか」と思ったので、僕は「これは入れるべき、コンテに忠実にやりましょう」と説得して。コンテ通りの形でやりました。

 

T:石原監督的には最後の最後まで迷っていらっしゃった感じですか?

 

A:これ、劇中では「有りうべからざる音」じゃないですか。劇伴じゃない、演奏じゃない。(アニメ上の)音楽としては有りうべからざる音なので。音楽としての位置付けも難しいし、っていうともう「天の啓示」しか無いんですよ、これは。

 

T:ん〜

 

A:音楽やってて、あるときふと分かることがあったりするときに、「天の啓示」は在っていい。それが音楽という形を持って在れば、さらに素晴らしい気がして。そこが「美しい朝日を見て」みたいなことでもいいけど、音楽もの(のアニメ)ならそこで「音楽」だ、「音楽に打たれて」っていうのは、ものすごく意義があるなと。シーンの雰囲気にはそぐわないかもしれないけど、雰囲気じゃなく「意味合い」としては全然おかしくない。これはなかなか…面白いですよね。

 

Q:残りましたよね、印象に。

T:うん…うん。

A:画期的だよね、これ!

 

T:石原監督がこのシーンで「初めて久美子が主人公になった」とおっしゃってるそうですが。

A:じゃ、良かったじゃないですか!

T:良かったです!結果的に、石原監督にとっても無くてはならないシーンになったということですよね。

A:そうなんです。

Q:だからあのシーンで(久美子が)本気になった…マジになったというか。ふわふわっとした傍観者から(主人公に)。

T:(傍観者っぽいのは)久美子の個性のひとつでもありますけどね。

A:部活だけじゃなくて音楽っていうことがね…「上手くなりたい」って非常にシンプルに音楽の本質を突いてる。

Q:そういう方針を決めるタイミングなのかもしれないですね、このダビングという工程は。

 

 「ダビング」はシーンの方針が議論される場


続きます。

| TVアニメ Free! | 01:35 | comments(0) | pookmark |
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