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裏アニメ 音響監督回4

裏アニメの音響監督回 文字起こしの続き4です。

 

津田健次郎presents 裏アニメ

音響監督特集 ゲスト鶴岡陽太(楽音舎)

収録場所 Studio2010:

劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜を題材に

 

Q:田口尚平アナ(テレビ東京)

T:津田健次郎さん

A:鶴岡陽太さん

 

Q:次はアフレコです。

 

【 アフレコ 】

Q:冒頭で演技指導もされているということでしたが、演技指導っていうのが具体的にどのようにされているのかが分からないんですが。具体的にはどのような指示なり、言葉がかけられるんでしょうか。

A:作品が行こうとしてる方向を見失って、ものすごく別の方向へ行っちゃってたら、「ちょっとこっちを見てみるか?」みたいな。方向を見失った羊を…

T:「はい、こっちだよ〜」「そっちじゃないよ〜」って。

Q:へええ…

T:初回(の収録)は割とそうやってキャラクターの方向性を決めていったり。

A:初回はみんな方向性を探る…というか、まず各々がイメージを持って演ってみて…

T:「違うな〜」って言われたり。

 

Q:例えば津田さんはどのような指導が?

T:「もうちょっと若くしてください」って。

Q:あ、そういうふうに言われるんですね?「若くしてくれ」って言われて出来るんだもんな…

T:「年齢を少し下げてください」とか。いちばん簡単な例ですけど。

 

Q:とんでもないことを言われたことはありますか?

T:ディレクションの中でですか?

Q:はい。

T:ありますね。これは鶴岡さんじゃないですけど「津田くんさあ…腰に紐巻くじゃん。それを上下するように喋って?…はい、行きます!」

Q:(爆笑)

T:「はいっ」って返事して演ったら、「はいOK!」。なんかよく解んなかったけどOKならいっかぁ!って。

A:それは、違えばいいんだよね、まず。

 

 音響監督は演技を変えてほしい

 

T:それは役者にとってわりと、すごく、大事なこと。

A:その前に演ったのが気に食わなかったんだから、まず変えればいいんだよ。

T:そう、そこなんです。まず、変える。実はこれ、若手に聞かせたいこと。「違う」ってことを、まず認識する。で、それ(前の演技)は細かく変えても実は伝わらない。

Q:ああ…

T:『A』という演技プランを演りました→「違います」→そこで『A’』を演っても多分違うんですよ。

Q:『B』を演れ、ということ?

T:はい。明らかに違うものを演ったときに、また違う指示をいただけるので。『A’』を演っても「だから違うって言ってんじゃん!」ってダメ出しを上乗せされるだけ。

A:どこをもって『A’』とするかは個々で違うので…

T:そう…「微調整が必要なとき」と「明らかに違うとき」がある。

Q:難しいですね…。

 

Q:それ(指示)は面と向かってじゃなくて「天の声」で降ってくるんですか?

 

 アニメ業界専門用語【天の声】

 :監督たちがいる別室からの指示。

 スピーカーで流れるため、声優キャスト全員に聞こえる

 

T:天の声で降ってくるときもあれば、鶴岡さんがブースの中に入ってきて…

Q:中に入ってくるときもある?

A:深刻な事態とかね。

T:(大笑い)

 

 ダメ出しの種類

 

T:本当に深刻な事態のときは、だいたい呼び出されます。

T:「ちょっとおいで?」「あ、連れてかれた…」…これは結構深刻な事態。

T:さらに深刻な事態のときは、全部終わったあとに居残り。これがいちばん深刻な事態かも。

Q:うわあ…そうなんですね…

T:そういうケースも中にはある。

A:でもまあ、新人は居残ってなんぼだよね。

T:しょうがないですもんね。

Q:そういうものなんですね…。

T:鶴岡さん、新人多いですもんね。

A:知らないひと(新人)と仕事すること結構多いです。ユーフォは特に。

T:若い女性が(ブースに)ずらっと並んでて。最初は僕と櫻井(孝宏)くんだけがこうやって(固まって隅で小さくなって)。

「櫻井くん、隣にいてくれる?」って言ってたり。

Q:不安だから?

T:若い女性の間にぽんと入ると「どうしよう…」みたいな…

Q:堂々としていいと思うんですが…

T:いやあ…なかなか…

A:こっちも話し相手が津田くん櫻井くんしかいない、みたいな状況。世間話もできない…

Q:彼女たちはやる気満々なわけですもんね…

T:緊張もしてるし。(世間話どころじゃない)

Q:なるほど…大変ですね。僕はどうしても新人の気持ちに寄り添ってしまうんですけども。張り切っちゃいそう。

A:だから世間話くらいしてみたいんだけど、(僕らが)世間話できる相手の年代がだんだん上がってきちゃうよね。

Q:(彼女たちにしてみれば)やっべ、神様(鶴岡さん)がいる!みたいな感じになっちゃいますよね…

T:うん、(彼女たちは)緊張するだろうな〜

A:「最近どう?」みたいな話、できないよね…

T:そうですよね…

Q:そういった悩みもあるんですね。

A:ありますよ!続けていくってのは大変ですよ。

 

Q:実はある声優さんに、匿名を条件に、鶴岡さんの演技指導…ディレクションについてインタビューを行ったので、こちらのVTRをご覧いただきたいと思います。

 

 某声優さん特別インタビュー

 鶴岡さんの演技指導は?

 

VTR:黒の上下・インナーを着て話している某有名声優の肩から下の映像(津田さんととてもよく似た服)

「(鶴岡さんは)若い人にはすごく厳しいといいますか、あえてプレッシャーをかけてらっしゃる姿とかを見ます。紳士的な方なので、声を荒げたりとかは絶対無いんですけど。でもわりと厳しい表情でじっと見てらっしゃる…みたいなのはあると思います。たまに、役者の顔をず〜っと見て『な!』って。それだけ言って去っていくときがあるんですけど。『え?え?えっ?なんですか?鶴岡さん!?』みたいな。あれはいったい何なんでしょうか…」

 

 顔をずっと見て

「な!」とだけ言って去っていくときがある

 

T:誰なんでしょうねぇ?

Q:匿名が条件なので!

A:分かるよ!(笑)

 

 鶴岡流 声優陣への接し方

 

T:じ〜っと見て、「な!」。

Q:…って言われたら死にますよ、俺。僕が新人声優で、鶴岡さんから「な!」って言われたら!

A:新人には「な!」とは言わないと思う…

T:「ね!」かな…

 

Q:津田さんはそれ(の意味)は分かんないんですか?

T:分かんないときもあります。若い女の子ばっかりだから単純に僕に話しかけてくれたのかな?っていう瞬間と、そうじゃないであろうときと…

A:この年代(津田さん・櫻井さん)に話すふりをして、「実は(役者)全体に話している」ことはよくあります。

T:ああ…なるほど〜!

A:話しやすい相手に向けて、(でも実は)全体に話している、という。

 

T:厳しい瞬間もあります。「(眉間にしわを寄せて)う〜〜〜〜んっ」っていう顔で鶴岡さんがブースに入ってきて「んん〜〜〜」って。あー、わりと今、鶴岡さん緊張感あるな、っていう瞬間が。

A:緊張感っていうか、なんか良くなかったんだよね〜〜ここだけの問題じゃないのかもしれないけど。

Q:でも(鶴岡さんの)頭の中には(目指すところが)あるんですもんね、音楽も含めて。

A:「こう行きたい」ってのはあるし、むしろ「行きたいところ」よりももっと素晴らしいもの、何かないの?みたいな。「ちょうど予定調和あたりまではたどり着きましたね」みたいなところより…

T:さらにもう2段くらい上へ行こうぜ!みたいな?

A:「当たり前のことをしましたね…」みたいな。

Q:怖ええっ!

A:「もっと行けるんじゃないの、これ?」とか。

T:それは匂いみたいなもんがあるんですか?

A:可能性が感じられたらね。可能性が感じられなかったら…

T:もうOKにしちゃう?

A:うん、だってもう十分なところには来てるんだから。可能性が感じられるなら、もっと演ってみたら何か出るかもしれないし。

T:時間との戦いもあるじゃないですか。例えば、時間的には追い込まれてるけど、もう一回、回したらもうひとつ(素晴らしいのが)出てくるかも…みたいな瞬間もあったりするんですか?

A:今は幸い自分(楽音舎所有)のスタジオだから時間的制約はあまり無くて、役者のケツ(時間的制約)くらいの話だけど。(何度も)演りゃいいってもんでもないしね。

T:そうですね…。回数重ねてダメになることもありますね。

 

 OKの出し方

 

A:役者は、ほっといたら永遠に演り続けるから。

Q:そういう生きものなんですね…

T:演りますね…(演技に)満足、は無いかな…

A:そうすると、ベストなポイントを見出す、ベストなポイントをこちらで決めてあげないと。それが僕らに出されている権限だから。そこも専門性のひとつかなと思います。

T:役者の場合は全体を見れているわけじゃないので、シーンやダイアローグ(対話)、モノローグも、そこだけで僕らは判断するしかないんです。そこの瞬間で言えば全然だめだったと思っても、鶴岡さんは全体を…なんだったら12話全部を見てらっしゃるので、僕らの自己判断のOKと(鶴岡さんの)俯瞰で見たOKは全然違うとは思っていて。最終的には鶴岡さんがOKって言ってくれたのが自分的にはちょっと足りなかったかなと思っても、シーン的にはOKなんだよな、って。

Q:信頼というか、まず「鶴岡さんを信じる」が先にありますよね。

T:例えばここに着地してほしいという想定・イメージとまるで違うけれど面白い!みたいな場合は悩んだりするんですか?

A:イメージ裏切られて良いもの、ができるならそれがいちばん良いですよね…いろんなひとの持ってるものが加わって。自分のイメージなんて「自分のイメージ以上のもの」は無い…そこから先には行かないから。常に「裏切られること」を期待してます。

 

T:(音響監督は)「指揮者」だと思うんですよね。それこそユーフォじゃないけどいろんな癖のある楽器が来てハーモニーを奏でるみたいなことろがある。

A:面白いよね。オケは面白いです。みんながトランペットじゃねぇ…(オーケストラ、ハーモニーにはならない)

T:それは面白く無いですよね!

A:うるさいだけだ!(笑)低音パートいねえのか?!みたいな。

Q:さて今のがアフレコパートのあれこれ、いろんなことを聞かせていただきましたが、それが終わるといよいよダビングという工程に入っていくんですが。

 

 アニメ業界専門用語【ダビング】

 :アフレコ音声や劇伴・効果音などを映像と合わせる作業のこと

 

続きます。

| TVアニメ Free! | 19:14 | comments(0) | pookmark |
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